株式会社あさひデザインワークスの黒岩です。
「環境にやさしい」という表現が、もはや誰にも刺さらなくなっています。
サステナビリティを訴求するとき、コピーとデザインはどのように組み合わせると「届く」のでしょうか。
実例を交えながら、効果的な表現の原則を考えます。
なぜ「環境にやさしい」は届かないのか
「環境にやさしい」
「エコ」
「サステナブル」——
これらの言葉は使われすぎて、感覚を麻痺させます。
脳は繰り返し聞く言葉を「重要でないノイズ」として処理し始めます。
また、これらの言葉は「具体性がなく」、どの程度「やさしい」のかが全くわかりません。
さらに問題なのは、グリーンウォッシングブランドも同じ言葉を使うことです。
誠実なブランドの言葉が、不誠実なブランドの言葉と区別できなくなっています。
「具体的な数字」が感情を動かす
Allbirds:「このスニーカーのCO₂排出量は7.6kg。平均的なスニーカーの半分以下」
Tony’s Chocolonely:「このチョコレートのカカオ農家への支払いは、フェアトレード価格の◯%増し」——
具体的な数字は、抽象的な「やさしい」より圧倒的に信頼性があります。
数字を主役に
デザイン的には、この数字を「最も目立つ要素として配置する」ことが重要です。
多くのブランドが数字を小さな注記に押し込めますが、誠実なブランドは数字を主役にします。
「行動」を促すコピー×デザインの設計
サステナビリティ訴求でありがちな失敗は、問題を伝えるだけで行動の入口が見えないことです。
「海洋プラスチックが問題です」
→「だから私たちは◯◯をしています」
→「あなたは◯◯という選択ができます」
という三段構造が、コピーとビジュアルで設計されているかどうかが鍵です。
「次の行動」は極力1つに絞り、その行動のボタン・リンク・導線をビジュアルで明確にします。
選択肢が多すぎると、人は行動しない。
「自分ごと」化するフレーミング
「地球のために」というフレームより、「あなたの◯◯のために」というフレームの方が行動変容を促しやすいことが行動科学の研究で示されています。
サステナビリティの訴求を「地球規模の問題→個人の利益」に変換するコピーは、ビジュアルとセットで効果を発揮します。
「この選択で、あなたの子供が生きる世界が少し変わります」
「このバッグは10年後もあなたのそばにあります」——
フェアトレードの「エシカルコーヒー豆」用パッケージデザイン例

「Terra Brew (テラ・ブリュー)」という架空のコーヒーブランドイメージ。
このアプローチにより、39%の消費者がSNSでシェアしたくなり、72%が割増価格でも購入意欲を示すというデータがあります。
「効果的な数字とデザインの組み合わせ
効果的な数字の使い方
- 社会的証明(72%)
消費者の70-85%が購買決定にサステナビリティが影響すると回答。 - 具体的な環境効果(85%削減)
「CO2を85%削減」のような定量的データは、漠然とした「エコ」より信頼性が高く、行動変容を促します。 - 明確な機能表示(100% COMPOSTABLE)
83%の消費者がリサイクル可能性を重視しており、「100%堆肥化可能」という明確な表現が効果的です。
デザインの組み合わせポイント
- 素材の誠実さ
クラフト紙の質感が環境配慮を視覚的に伝達。 - 階層構造
大見出し→数字→詳細の順で情報を整理。 - ミニマルなデザイン
過剰な装飾を避け、メッセージに集中。 - 数字の視認性
パーセンテージを目立たせて説得力を強化。
SDGsの取り組み



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