パッケージから「過剰」をなくす:Less is More のデザイン原則

役立つ情報 365-4

株式会社あさひデザインワークスの黒岩です。


よくあることですが、「この箱、開けるまでに5分かかった・・」
——誰もがそんな経験をしたことがあるはずです。

「何層にも重なるプラスチックトレー」、「必要以上に大きな箱・😧」、「取り外しに苦労するタグ」等
パッケージデザインにおける「過剰」は、消費者体験を損ない、環境負荷を高めます。

Less is More (少ないほど良い)の哲学は、サステナブルなパッケージデザインの根幹です。


「過剰」はなぜ生まれるのでしょうか

過剰なパッケージが生まれる理由は?



まず「高級感の演出」です。
 重厚なパッケージ=プレミアムという等式が業界に根付いており、簡素なパッケージはチープに見られるという恐れがあります。

次に「輸送中の保護」として緩衝材を必要以上に入れることで、破損リスクを下げようとします。

そして「商品の視認性競争」——棚の中で目立つために、パッケージを大きくすることです。

サステナブルな「引き算」とは?

Less is More 少ないほど良いの実践は、単にパッケージを小さくすることではありません。

削ることで体験の質を上げる設計です。

「Less is More」なパッケージ

「Less is More」

主な要素:

  • 最小限のタイポグラフィ – 必要な情報だけを厳選
  • モノクロマティックな配色 – 白やグレーを基調とした落ち着いた色使い
  • 豊富な余白 – 情報を詰め込まず、呼吸するスペースを確保
  • シンプルな形状 – 装飾を排除した機能的なフォルム
  • 洗練されたブランディング – 控えめながら印象的なロゴやアイコン

このようなシンプル化されたパッケージは、環境への配慮、高級感の演出、そして消費者への明確なメッセージ伝達を実現しています。


サステナブルな「引き算」の技術

構造の最適化を検証します

・製品の形状に合わせてパッケージを設計すると、余白や緩衝材を最小化できます。

・立体パズルのように素材を無駄なく使う展開図設計は、デザイナーの技術が問われる領域です。

・一枚の紙から切り込みと折りだけで成立するパッケージは、接着剤も不要でリサイクルも容易です。

印刷面積の削減 

・フルカラー印刷を全面に施す代わりに、素材の地色を活かし、印刷を必要最低限に絞る。
 
・インク使用量の削減になると同時に、素材の自然な質感が「サステナブルである」というブランドメッセージをそのまま体現します。

層数を減らす 

・外箱、内箱、仕切り、個別ラップ、シールという多層構造を見直し、一枚のパッケージで機能を兼ねる設計にできないかを検討します。

AppleがiPhoneのパッケージを年々薄くし続けているのは、この原則の実践例です。

「簡素=チープ」を覆した事例

Lushの「ネイキッドパッケージング」は、シャンプーバーや固形コンディショナーを包装なしで販売します。

・棚に並ぶカラフルな素の商品は、むしろ「堂々とした自信」を感じさせるビジュアルになっています。

・パッケージがないことが個性と信頼の証になる——これはデザインの逆転発想です。

チェックリスト:パッケージの「過剰」を診断する

設計段階で以下を問いましょう。

  • この層は本当に必要か?
  • この素材は別の素材に置き換えられないか?
  • このパッケージを捨てるとき、消費者はどう感じるか?
  • 消費者が「捨てたくない」と思うパッケージになっているか?

「引き算のデザイン」は、実は「足し算」より難しい。
しかしその困難さの先に、本当に美しいパッケージが生まれます。

SDGsの取り組み

目標 4 質の高い教育をみんなに
目標12 つくる責任つかう責任
目標17 パートナーシップで目標を達成しよう
をメインにサポート業務に取り組みます。
(2026年度 SDGsの取り組み)

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