株式会社あさひデザインワークスの黒岩です。
私たちは、クライアントの担当者にある質問をすることがあります。
それは、「御社にとって、サステナビリティとは何ですか?」とヒヤリングをします。
この質問に答えるクライアントもいれば、少し戸惑うクライアントもいます。
でも、この問いを省略すると、後になって必ずどこかでズレが生じます。
今日は、私たちがこの「ヒアリング」を大切にしている理由を、率直にお話しします。
デザインはビジョンの翻訳作業だから
デザインは、クライアントの価値観や姿勢を視覚言語に翻訳する作業です。
だからこそ、その価値観の中核にある「サステナビリティへの向き合い方」を正確に把握することが不可欠と考えています。
例えば、ある介護系施設のリブランディングを担当したとき、初期ヒアリングで「当施設のサステナビリティへの取り組みは、これからです」という正直な声をいただきました。
その一言が、ブランドの方向性を大きく変えました。
「完成されたブランド」を演出するのではなく、「誠実に歩みを続けるブランディング」として設計することになりました。
グリーンウォッシングを避けるために
残念ながら、デザインがグリーンウォッシングの道具になることがあります。
実態が伴わないのに、緑色のロゴや自然を想起させるビジュアルを多用して「環境に優しいイメージ」だけを作り上げるケースです。
共創していくパートナーとして
サステナビリティの取り組みは、一度達成したら終わりではなく、継続的に深化させていくものです。
私たちは、デザインパートナーとして関わるクライアントとは、その進化の過程をともにしたいと考えています。
ヒアリングを通じて関係性の深度を確認することは、単なる情報収集ではなく、「どこまで一緒に歩けるか」を見極めるプロセスでもあります。
サステナビリティへの向き合い方は、企業によって千差万別です。
「だからこそ、丁寧に聞く。」
それが、私たちのデザインプロセスの出発点です。

- 自社にとっての“サステナビリティの定義”を言語化する
- “できていること”と“これからやること”を切り分ける
- “伝え方”ではなく“あり方”からデザインする
クライアントへのご提案
1.自社にとっての“サステナビリティの定義”を言語化する
まずは、「環境に良いこと」や「社会に配慮すること」といった抽象的な言葉ではなく、御社にとってのサステナビリティを具体的に定義してみてください。
それは「地域との関係性」かもしれませんし、「従業員の働き方」かもしれません。
あるいは「製品の寿命」や「資源の循環」かもしれません。
この言語化が、すべてのデザインの土台になります。
2.“できていること”と“これからやること”を切り分ける
現時点で実現できている取り組みと、これから目指していく領域を整理することをおすすめします。
(重要なのは、どちらも正直に扱うことです)
すでに実現していることは、根拠ある強みとして。
これからの取り組みは、企業の意思として。
この2つを適切に設計することで、誠実で持続可能なブランドコミュニケーションが可能になります。
3.“伝え方”ではなく“あり方”からデザインする
私たちは、表層的なビジュアルだけでなく、企業の姿勢そのものをデザインの起点にします。
例えば、パッケージひとつをとっても、素材選び・情報開示・流通のあり方まで含めて設計することができます。
「どう見せるか」ではなく、「どうあるか」。
その問いに向き合うことが、結果として強いブランドをつくります。
サステナビリティは、完璧である必要はありません。
むしろ大切なのは、「どのように向き合い、どう進んでいくか」を誠実に示すことです。
私たちは、そのプロセスを共に設計し、可視化するパートナーでありたいと考えています。
SDGsの取り組み



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