ダブルループ思考の実践と「BRT都市計画」事例のご紹介いたします。

役に立つ情報365-34

株式会社あさひデザインワークスの黒岩です。
——続・組織と個人のイノベーションを引き出す思考法——

組織と個人のイノベーションを引き出す思考法の「続編」です。

1. ダブルループ思考を習慣化する3ステップ

「頭打ち」のサインに気づく — 頑張っているのに結果が変わらない時は、「量」ではなく「前提」が違 うサイン
一回立ち止まる — 「もっと頑張る」で行動量を増やす前に、意図的に立ち止まる
「そもそも?」と問い直す — やり方でなく前提(目標設定・役割分担・進路選び自体)を疑う
シングルループ(日々の改善)自体は重要— 「報われない」と感じた瞬間こそ、前提を疑うチャンスと捉える

2. お手本事例:クリチバ市(ブラジル)

🔄 問い直しの構造 🔄
渋滞対策として「道路拡幅」「地下鉄建設」という定番策(シングルループ)に走らず、「地下鉄並みの輸送力を、地下鉄より安く作れないか?」と前提を書き換えた結果、BRT(バス・ラピッド・トランジット)が生まれた。

🔄 BRTの技術的工夫 🔄
専用走行路・専用車線
車外改札+段差なし乗降(円筒形停留所)
連節バスによる高容量化
PTPS(公共車両優先信号)

🔄 交通を超えた社会システムの設計 🔄
市民通り(Rua da Cidadania) — バスターミナルに行政窓口・医療福祉・職業訓練・商店街を集約し、都心に出なくても用事が済む設計。
緑との交換(Câmbio Verde) — 住民が分別したリサイクルごみ4kgを野菜1kgと交換。ごみ収集・貧困対策・環境教育を一体化。
ピア・アンビアンテール — スラム地区の子どもに昼食と教育を提供する寺子屋的施設。

停留所間隔は500〜600mと短く「アクセスしやすさ」を重視し、低速・軽量交通で街や歩行空間との調和を優先している。

3. 発展形:ボゴタ市(コロンビア)「トランスミレニオ」

観点クリチバボゴタ
コンセプト都市計画・土地利用と一体化 圧倒的な輸送技術・運行管理
交通特性低速・軽量(歩行空間と調和)高速・重量(時速40km超、45,000人/時)
停留所短間隔でアクセス重視
(500〜600m)
拠点を絞り速達性重視
拠点機能行政・福祉・商業を統合(市民通り)大型商業施設を集積
連携施策ゾーニング規制マイカー抑制・自転車奨励策

4. 日本への応用(コンパクト・プラス・ネットワーク)

  • 新潟市 — 連節バス「萬代橋ライン」。
    公設民営、郊外バスとの乗継拠点整備で郊外便を増便。
  • 福岡市 — 都心循環BRTで天神・博多駅・WFを接続、重複路線を減便。
  • 名古屋市 — 基幹バス新出来町線(1985年〜)、道路中央走行の先駆例。
  • JR気仙沼線・大船渡線BRT — 震災被災線路跡を活用、対面乗継・新駅増設で高頻度運行。
  • 東京都(勝どき・晴海・豊洲) — 燃料電池バス・自動走行技術・バリアレス縁石を導入。

応用のポイントは
「車両導入だけで終わらせない」
「土地利用と交通を一体設計する(TOD)」
「行政・住民・事業者の合意形成」

の3点。

5. まとめ:「レバレッジポイントと循環」の視点

この一連の流れで一貫しているのは、渋滞という「出来事」の裏にある「前提(車社会・道路拡張という発想)」を疑い、新しい道路を作らないという引き算の選択をしたことがレバレッジポイントになった点である。

クリチバの「ごみ買い」プログラムも、廃棄物を資源として地域内で循環させる仕組みで、負荷を他地域・未来に転嫁しない設計になっている。

組織やチームの課題整理にこの構造を当てはめる場合、「増やす施策」だけでなく「やめる・減らす施策」を対で検討すると、同じ視点が活きる。

「クリチバ」が教える未来のまちづくり

SDGsの取り組み

目標 4 質の高い教育をみんなに
目標12 つくる責任つかう責任
目標17 パートナーシップで目標を達成しよう
をメインにサポート業務に取り組みます。
(2026年度 SDGsの取り組み)

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