株式会社あさひデザインワークスの黒岩です。
「サステナブルにすると、デザインが地味になる」「エコにすると、かっこよくできない」——
クライアントからこう言われることがあります。
この問いに、私たちはどう答えるべきでしょうか
美しさとサステナビリティの関係を、根本から考えます。
⌚︎ 「美しさ」とは何か
美しさの定義は文化と時代によって変わります。
現代の西洋的な美意識は、滑らかさ・光沢・均一性・鮮やかな色を高く評価してきました。
この美意識に合わせると、エコ素材の荒さや曖昧な色調は「美しくない」と感じられます。
しかし、日本の美意識には「わびさび」があります。
不完全さ、経年変化、素材の素直さに美を見出す感性です。
エコ素材の自然な質感こそが美しいと感じられます。
⌚︎ 制約が美を生む
建築や工業デザインの世界では「制約がデザインを磨く」という考え方があります。
限られた素材、限られた加工方法、限られた予算——
制約の中で知恵を絞ることで、予想外の美しさが生まれることがあります。
エコ素材の制約、廃材の不規則性、加工を減らすという縛り——
これらはデザイナーにとって新しい美の発見の機会です。
「これしか使えない」という制約は、「これだからこそできる」という創造の入口でもあります。
⌚︎ 長く美しいものの条件
「流行に乗った美しさ」と「時代を超えた美しさ」は別物です。
高速で消費されるトレンドデザインは、半年後には古くなります。
しかし素材の本質を活かし、過剰な装飾を排したデザインは、時間が経つほど深みを増します。
サステナブルな製品は「長く使われること」が前提です。
だとすれば、10年後も美しいと感じられるデザインを目指すことが、サステナビリティとデザインの最も自然な接続点です。
流行を追いかけるデザインは、もっとも早く廃棄されます。
「タイムレス(普遍的)なデザイン
「流行(トレンド)」ではなく「本質(機能、素材、普遍的な形状)」がタイムレスなデザインです。
「10年後も美しい」デザインとは
- 素材が劣化せず、味になる
- 飽きが来ず、どんな生活の変化にも寄り添える
- 修理をして、長く使い続けられる
こうした製品を選び、大切に使うことは、私たちに「愛着」という豊かな体験をもたらすと同時に、結果として最も自然なサステナブルなアクションになります。

⌚︎ 私たちの答え
「美しいデザイン」と「サステナブルなデザイン」は矛盾するのか?
私たちの答えは「矛盾しない、むしろ方向性は同じだ」です。
本当に美しいデザインとは、素材の本質を活かし、必要なものだけを残し、作り手と使い手と環境への誠実さが宿るものです。
サステナブルなデザインが目指すものと、根本は同じです。
問われているのは「どの美意識を基準にするか」です。
消費を加速させる美ではなく、長く愛される美を——
その選択がデザイナーに求められています。

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