株式会社あさひデザインワークスの黒岩です。
連載:中山正和のNM法で発想する─ 「カフェ編」 第1回
── 魚の群れから「流れ」を借りる──
人気店の行列や混雑を、どうにかしたい。
けれど思いつく案は「店員を増やす」「席を詰める」くらいで頭打ち……。
そんなとき、NM法を使うと、まったく関係ない“魚の群れ”から解決のヒントを借りられます。
日本生まれの発想法・NM法(中山正和)の基本形を、このカフェの事例でいちばんやさしく体験してみましょう。
NM法とは──ひとことで
中山正和が1960〜70年代に確立した、日本生まれの発想法です。
核にあるのはアナロジー(類比)思考。
「ゼロから天才的にひらめく」のではなく、自然界や別ジャンルでうまくいっている仕組みを見つけ、自分の課題に翻訳して持ち込む。
今ふうに言えば、パクリではなく“リミックス”です。
NM法の5ステップ
キモは「飛ぶ → 掘る → 戻る」。
一度まったく関係ない世界に飛ばし、仕組みだけ持ち帰って自分の課題に翻訳する。
この遠回りが、ふだんの思考のクセでは出てこない発想を連れてきます。

まず、課題の本質を短い動詞で抜き出します。
「人気カフェを、混んでてもイライラしない空間に」 【❶:テーマ】
ここでは本質キーワードを「流れる」と置きました。【❷:KW】
次に、自然界で気持ちよく“ 流れている ”ものを探すと、魚の群れにたどり着きます。【❸:QA】
これがNM法の“ 別世界へのジャンプ ”です。
これをカフェに翻訳すると——
店員が逐一誘導しなくても、床の光るサインや視覚的な目印で「次にどこへ動けばいいか」が直感的にわかる導線になります。【❺:QC】
一人ひとりが近くの目印だけを見れば、空間全体が自然に流れていく。
“ 飛ぶ → 掘る → 戻る ”でひとつの解にたどり着きました。
応用のヒント
この発想は、店舗だけでなく、イベントの動線設計、サイン計画、施設のUXなど「人の流れ」を扱う場面に幅広く使えます。
本質キーワードを「流れる」ではなく「ためる」「散らす」に変えれば、また違う別世界(ダムや種の散布など)から別解が借りられます。
KWを動詞で複数試すのが、発散を広げるコツです。
まとめ
次にアイデアに詰まったら、こう問いかけてみてください。
「これと同じことを、自然界や別のジャンルでは、何がうまくやっている?」──
その問いが、あなたの“みらい”をつくる最初の一歩になります。
連載:中山正和のNM法で発想する─ 「カフェ編」 第1回



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