株式会社あさひデザインワークスの黒岩です。
連載:中山正和のNM法で発想する─ 「農福連携・システム思考編」 第2回
── 混交林から「かみ合い」を借りる──
農福連携の現場では、障がいの有無にかかわらず多様な人が一緒に働きます。
「全員に同じ作業を均一にこなしてもらう」発想だと、得意・不得意のミスマッチで無理が生じがち・。
NM法を使って、“ 多様なのに強い ” 混交林からヒントを借りると、ひとり一人の凸凹が強みに変わるチーム設計が見えてきます。
「システム思考への入り口」にもなる回です。
NM法とは──ひとことで
中山正和が1960〜70年代に確立した、日本生まれの発想法です。
核にあるのはアナロジー(類比)思考。
「ゼロから天才的にひらめく」のではなく、自然界や別ジャンルでうまくいっている仕組みを見つけ、自分の課題に翻訳して持ち込む。
今ふうに言えば、パクリではなく“リミックス”です。
NM法の5ステップ
キモは「飛ぶ → 掘る → 戻る」。
一度まったく関係ない世界に飛ばし、仕組みだけ持ち帰って自分の課題に翻訳する。
この遠回りが、ふだんの思考のクセでは出てこない発想を連れてきます。

まず、課題の本質を短い動詞で抜き出します。
「凸凹のあるメンバーが活きる農園をつくりたい」【❶:テーマ】
本質キーワードを「かみ合う(持ち味が組み合わさる)」と置きます。【❷:KW】
次に、自然界で“ 多様なのに強い ”ものを探すと、混交林 ——【❸:QA】
さまざまな種類の木が混ざった森にたどり着きます。
これを農園に翻訳すると——
「同じ作業の割り当て」をやめ、「得意の“ 層 ”」で役割を配置します。【❺:QC】
細かな手作業が得意な人は「苗づくりや選別の層」、力仕事が得意な人は「運搬や土づくりの層」、段取り・記録が得意な人は全体を支える「“ 根 ”の層」。
一人ひとりの凸凹が農園という生態系として噛み合い、繁忙や欠員にも強いチームになります。
「均一な労働力」ではなく、「多様だから強い “ 混交林型チーム ” 」へ。
応用のヒント
この “ 多様性×レジリエンス ”の視点は、「農福連携」にとどまらず、CSV(共通価値の創造)、インクルーシブなチームビルディング、福祉作業所の工程設計などにも応用できます。
「均一さ=効率」という思い込みを外し、「違いをどう噛み合わせるか」を問い直すことが、持続可能な組織デザインの起点になります。
まとめ
次にアイデアに詰まったら、こう問いかけてみてください。
「これと同じことを、自然界や別のジャンルでは、何がうまくやっている?」──
その問いが、あなたの “ みらい ” をつくる最初の一歩になります。

連載:中山正和のNM法で発想する─ 「農園編」 第2回



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