株式会社あさひデザインワークスの黒岩です。
── Z 世代が問い直すウェルネス観とアスリートのメンタルヘルス。
「勝つことがすべてではない」——そう言えるようになった時代の話をしよう。
2021年、大坂なおみが全仏オープンの記者会見をボイコットし、自身のメンタルヘルスの問題を公表した。
同年、体操のシモーン・バイルスがオリンピック競技途中の棄権を選択した。
世界中のトップアスリートたちが「勝利より自分自身を守る」という選択を、公の場でし始めた。
これは勇気ある告白であると同時に、スポーツ観の転換点でもあった。
長年「強さ」の象徴とされてきたアスリートが「傷つくことがある」と認めた。
そのメッセージは特にZ世代のファンに深く届いた。
FIFA ワールドカップ2026の開幕まであと3日。
今日はスポーツとウェルネスの交差点に立ち、「競い合うことの意味」と「人間らしくあること」を、デザインの視点から問い直してみたい。
01 価値観の転換:勝利至上主義からウェルネス思想へ
スポーツにおける「成功」の定義が変わりつつある。
メダルの数・勝率・年俸——
これらは依然として重要な指標だが、それだけが「良いアスリート像」ではなくなってきた。

この転換は「軟弱化」ではない。
むしろ「長く、深く、持続可能にパフォーマンスを発揮するための再設計」だ。
トップアスリートが実践するウェルネス管理は、高度に科学的・戦略的なアプローチになっている。
02 変化を起こしたアスリートたちの選択
近年、スポーツ界のウェルネス論争を牽引したアスリートの事例を整理する。
彼らの選択が、競技の文化をどう変えてきたかを見ていこう。

共通するのは「完璧な強さ」の幻想を手放し、「ありのままの人間としての弱さ」を認めたことだ。
そしてそのことが、多くの若いアスリートやファン、特にZ世代に「自分も弱くていい」という安心感を届けた。
03 FIFA WC2026のウェルネス施策
WC2026では、選手のウェルビーイングへの配慮が大会設計に明示的に組み込まれている。
過去大会の反省と、近年のメンタルヘルス意識の高まりを受けての変化だ。

04 Z世代のウェルネス観:4つの核心
Z世代は「ウェルネス」を単なる健康管理ではなく、生き方の哲学として捉えている。
スポーツ観戦を通じて彼らが何を求めているかを4つの視点から整理する。

05 デザイン会社として読む:「ウェルネスの設計」をする仕事
スポーツにおけるウェルネスの問い直しは、私たちのデザインの仕事にも深く関係している。
組織の中で人が健康に、持続可能に働けること——
それも、デザインの対象だ。

06 Z世代へ:推しが「弱さ」を見せたとき
WC2026を観ていると、きっとある瞬間が訪れる。
普段は無敵に見えるスター選手が涙を流す瞬間、負傷で担架に乗せられる瞬間、試合後に地面にうずくまって動けない瞬間——。
そのとき、「弱い」と思わないでほしい。
それは人間だということの証明だ。
そして自分が何かで限界を感じたとき——
スポーツでも、仕事でも、人間関係でも——
「やめることを選ぶ勇気」があることを思い出してほしい。
シモーン・バイルスが競技から一歩引いたとき、世界中のZ世代に届いたメッセージは「自分を守ることは強さだ」ということだった。
🌿 ウェルネスを意識した観戦のすすめ
・ 結果だけでなく、選手の表情・動き・チームの空気を観てみる
・ 負けたチームの選手が互いを支え合う場面に注目する
・ 試合後のインタビューで「楽しかった」と言う選手の言葉を拾う
・ 自分が観戦で感じた感情(興奮・怒り・悲しみ)を否定しないで受け取る
SDGsの取り組み



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